3回目となる今回の「彫刻をさわる時間」シンポジウムでは、彫刻をさわる鑑賞の歴史に焦点を当てます。
西洋では三〇〇年近く前に、彫刻が触覚の芸術であるという考え方が広がりました。日本でも近代を代表する彫刻家・朝倉文夫は自分の作品をさわってもらいたいと願い、また半世紀以上前から彫刻の展覧会で目の不自由な方に触って鑑賞してもらう試みもされています。そうした歴史を振り返り、その意義や今日の課題、未来への可能性について考えます。
日時: 2023年11月20日(月) 18:30~20:30
会場: 大分県立芸術文化短期大学 人文棟大講義室
(対面およびZoomによるオンライン配信)
参加費:無料
参加方法: 会場(定員:30名)、Zoom(定員:200名)
申込期限:11月15日(水)
申込先:
会場での参加を希望される場合は、下記問合せ先にメールでご連絡ください。(先着30名)
Web会議ツール「Zoom」での参加希望は、こちらの申し込みフォームからお願いします。
https://forms.gle/5wVnHWcw6by9mvbn9
〔QRコード〕
問合せ先: 大分大学教育学部 村上佑介研究室
〒870-1192 大分市大字旦野原700番地
E-mail: y-murakami@oita-u.ac.jp
※お問い合わせはメールでお願いいたします
パネリスト: 宮坂 慎司(彫刻家、筑波大学 助教)
広瀬 浩二郎(国立民族学博物館 人類基礎理論研究部 教授)
篠原 聰(東海大学 ティーチングクオリフィケーションセンター 准教授)
髙橋 泰佳(大分県立国東中学校 教諭)
村上 佑介(大分大学 教育学部 准教授)
ファシリテーター: 田中 修二(大分大学 教育学部 教授)
田中 佐和子(大分県立盲学校)
会場コーディネーター: 山口 祥平(大分県立芸術文化短期大学 准教授)
主催/大分大学教育学部美術講座 協力/大分県立芸術文化短期大学 大分県立盲学校
パネリスト
宮坂 慎司 (みやさか しんじ)
1982年、埼玉県生まれ。現在、筑波大学芸術系助教。彫刻分野の理論・実践に関わる教育を担当。彫刻制作、具象彫刻表現に関わる技法及び素材研究、日本近代彫刻史、彫刻鑑賞支援を専門とする。2019年、千葉県立美術館での企画展をきっかけに、同館と協働した彫刻関連の事業に関わり、2022年度からは「彫刻に触れるとき ̶「さわる」と「みる」がであう彫刻展」を開催。視覚に障害のある鑑賞者を対象とした「触れる鑑賞」の実践を重ね、視覚だけに頼らない触覚的表現と、鑑賞支援のあり方に関する研究に取り組む。
広瀬浩二郎 (ひろせ こうじろう)
1967年東京都生まれ。13歳のときに失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。2001年より国立民族学博物館に勤務。現在は人類基礎理論研究部・教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施。無視覚流鑑賞法の創始者。
篠原 聰 (しのはら さとし)
1973年東京生まれ。2006年成城大学大学院文学研究科(美学・美術史専攻)博士課程後期単位取得退学。東海大学課程資格教育センター講師を経て、2012年より同センター(現・ティーチングクオリフィケーションセンター)准教授。「ともいきアートサポート事業(神奈川県)」や特別支援学校との連携、屋外彫刻のメンテナンス活動などを通じてユニバーサル・ミュージアムの実践に取り組む。鎌倉市鏑木清方記念美術館客員研究員(2006年〜)、読売新聞アートアドバイザー(2013年〜)、秦野市文化振興基金活用懇話会委員(2017年〜)、小田原市郷土文化館協議会委員(2019年〜)など。
髙橋 泰佳 (たかはし やすか)
1989年大分県生まれ。2012年京都橘大学文学部歴史学科卒業。同年、学芸員資格取得。2014年兵庫教育大学大学院学校教育研究科特別支援教育専攻修士課程修了。2014年大分県立別府支援学校を経て、2015年より、大分県立盲学校勤務。2019年12月おおいた障がい者芸術文化支援センターセミナープログラムに協力者として参加し、以後継続して「彫刻をさわる時間」等のユニバーサルなアート鑑賞を実現するためのプロジェクトに携わっている。現在、国東市立国東中学校に勤務(2020年より)。
村上 佑介 (むらかみ ゆうすけ)
1987年愛媛県生まれ。2014年広島大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。大阪城南女子短期大学講師を経て、2020年より大分大学教育学部講師、2023年准教授。専門は彫刻制作、美術教育。主な作品に《不自由な抱擁》(「第45回日彫展」日彫賞受賞、2015年)、《そしてまた夢を見る》(「第46回日彫展」日彫賞受賞、2016年)などがある。日本彫刻会研究誌編集委員(2022年~)、大学美術教育学会会員(2012年~)。
田中 修二 (たなか しゅうじ)
1968年京都市生まれ。成城大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。専門は近代日本美術史。大分大学教育学部教授。屋外彫刻調査保存研究会運営委員。主な著書に、『近代日本彫刻史』(2018年)など。2007年度より大分市と連携して屋外彫刻作品のメンテナンスを実施。大分県障がい者の芸術活動支援懇談会委員(会長)(2015~16年) 、大分県文化振興県民会議委員(会長)(2016年~)。
田中 佐和子 (たなか さわこ)
1976年大分県生まれ。1999年大分大学教育学部小学校教員養成課程卒業。高等学校の勤務を経て、2008年より大分県立新生支援学校教諭。2011年より大分県立日出支援学校、2017年より大分県立盲学校勤務。大分県立盲学校特別支援教育コーディネーターを経て、現在、同校の幼稚部担任。
プログラム
18:30 開会
18:35 主旨および概要の説明(田中修二、田中佐和子)
18:50 基調報告:宮坂慎司
19:20 休憩
19:30 パネルディスカッション
20:20 質疑応答~閉会の言葉